毎朝五時頃に一度目が覚めるのは歳のせいで仕方が無いことでつな。本日は休みなので起きた時に「朝風呂」に行こうと決めちゃいますた。最近は神田淡路町の「江戸遊」(5:30から朝風呂コースがある)だったり、池之端の「鴎外荘」(5:30から宿泊客でなくても入れる)を利用していたが、そういえば2年ほど行っていないパラダイスが地元にあるので6:15に自転車に乗る。昨夜からの雨がようやく上がった頃でR。
すしや通りからROXの裏を通って初音小径を入っていくとその先は浅草寺の境内になるのだが、淡島堂の手前に今回の目的地「浅草観音温泉」がある。一年の大半が蔦に覆われた外観だが、この時期は建物は外観を見せる。
6:30を回っていないが既に自転車が5、6台ある。もう先客がいるということだ。入口上部の看板は泣けてきまつ。「酒は大関」「男は黙ってサッポロビール」のフレーズが昭和30年代後半をイメージさせまつ。フロントは映画館の切符売り場に似ている。700円。
靴を脱いでロビーに立つとズラーッと下足入れが並んでいる。相当な数でR。創業した昭和32年頃の浅草はまだ全盛期。浅草寺や六区、花やしきに隣接する抜群のロケーションなので大盛況だったのだろうと容易に想像がつく。今でいうとお台場の「大江戸温泉物語」や後楽園の「ラ・クーア」のようなレジャースポットだったのだろう。
奥に進むと右側にこれまた昔の映画館を連想させるトイレ。観音開きのドアに木製のサンダルが置かれている。その奥、手前が男湯で入口近くにはコインを入れて動くバンビが一機。手書きの「バンビさんは動きません」の張り紙がご愛嬌だが、昭和の時代を体感出来る貴重なモニュメントになっている。
脱衣所に入る。廊下もそうだったが、床はニス(?)が何重にも塗り重ねられたのだろうビカビカでR。池之端の「六龍鉱泉」もそうだが、このビカビカ感もレトロでつなあ。右奥にはマッサージベッドがあるが、これもコイン入れの箇所に「故障でつ」の張り紙。
↓ 脱衣所のそこかしこに貼られている注意書きの数々でつ。左上はマッサージベッドの「故障でつ」。手書きの注意書きは置き引きに対しての注意を喚起してまつ。
さて久しぶりに入ってみまつか。6:30で先客は3名、我輩よりかなり年配のよーだ。
2階まで吹き抜けの高い天井の浴室には人魚のタイル絵がある。このタイル絵が時代を感じさせまつ。湯槽はは広く大きな半円形の浴槽は2つに仕切られている。左側が熱湯で「熱い Very Hot」の表示があるのだが、両者の温度差はあまりない。画像を見ると黒湯に見えるだろーが実は無色透明の湯で泉質は重曹泉でR。元々は黒湯なんだがタオルなどが染まってしまうので濾過しているらしい。今なら黒湯のままの方が絶対に認められるんだがなあ。浴槽に数個の白い薬剤が点在している。大昔小学校のプールに投げ入れられていたあの白い塩素のやつ。掲示によると「白い玉は保健所の指導により消毒剤として使用しております。温泉の中にある一般のプールよりも弱PPMですのでご安心下さい。」とのこと。
↓ 浅草観音温泉のレトロワールドが少しでも伝わるであろうか?カランのタイルは剥がれていてコンクリートが剥き出しでR。清潔感は全く感じられないぞ。
水飲み場がある。湯に浸かって水色のそれを眺めていると、直接口をつけて水を飲み親に叱られている子供の姿が浮かんでくるようだ。壁面のガラスブロックから陽が入ってくる。
一時間弱このワールドを体感し上がる。二年程前も「もう二度と来ないだろうな」と思っていた場所で縁台に座り暫しボーッとする。地元の常連の利用されている他に観光スポットとしてこれからも存在していくのだろうか。
もし多くの資本があるなら完全に建替えて温泉も黒湯に戻すとすれば、ここは素晴らしい施設になるんだろうな。もう毎日通っちゃうのに。
↓ 表の看板でありまつ。[さむい時にはポカポカと][あつい日にはサッパリと]
[温泉地下3000尺、湯湧量 1日8000石、温度28度 − 天然温泉として都内随一の折り紙を符されております。泉質は「重そう泉」と申しまして体を芯からよく温め、その温もりは長持ちしますので、神経痛、冷え症、血行不良などに効果を発揮します。健康な方もほんとうによい湯で湯ざめもしないので、どうぞお試し下さい。]
湯上がりに浅草寺周辺をブラついてみる。早朝といっても7時半を回っているので、観音裏から浅草駅に向かう人たちも多い。本堂は工事中でありまつ。
家に帰ろうと思ったが、思い直して伝法院通りから仲見世に戻り喫茶店を探す。
新仲見世通りに早朝から営業している喫茶店を発見。二階にある喫茶店だが階段の上がり口に「友路有図書館」の看板が置いてある。何だろう?これは寄ってみなくては。
「喫茶店 友路有(トゥモロー)」台東区浅草1-29-3 03.5828.5527 新仲見世通り